法華経一部読誦講習会 in WEST

一々文々のオウム返しによる一部経読誦の講習会です。令和元年より関西でも開講しております。

『法華三部経』のご紹介

当講習会では、2泊3日の中日に必ず内容講義の時間を設けており、WEST講習会では、京都一部布教師会会長、京都市上京区教法院ご住職の三木天道上人に講師をお務め頂いております。
毎回笑いの絶えない楽しい講義で、退屈することなくお勉強ができる、とても濃厚な時間を過ごさせて頂いています。

その講義の折、特にテキストとして指定している訳ではありませんが、三木隨法上人編著『法華三部経』を資料として提示なさることが多くあります。

この本は、三木天道上人のお師匠様の三木隨法上人の遺作とも言うべき書で、法華経を学ぶ為の様々な工夫が施された素晴らしい本です。

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この『法華三部経』にはA4サイズのもの(訓読)とB5サイズのもの(真訓対照)があります。そして、この真訓対照のものが本当に優れものなのです。

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色々な出版社より、真読と訓読のどちらもが載せられている法華経が出版されていますが、大抵、真読は真読、訓読は訓読と、ただ上下に別れて連続して経文が掲載されているものが多いと思います。そのため、読み進めていくと必ず訓読の方が後のページにずれていってしまいます(真読の方が文字数が少ないため)。

それに対して、見て頂くと一目瞭然ですが、この『真訓対照 法華三部経』は、必ず真読と訓読の同じ箇所(真読「爾時釈迦牟尼仏」の下に訓読「その時に釈迦牟尼仏」と)が上下に揃ってて表記されているのです。

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しかも、番号まで振ってある為、グループで学習会を行う際などでは、
「15ー32から本門の正宗文が始まるんだね」
というような会話が出来て大変便利なのです。

ご自坊の書棚に眠らせていらっしゃる方は、是非ともご活用なさることをオススメします。
内容講義を受講なさる方でお持ちでない方は、当日の会場でお買い求め頂くこともできますので、どうぞご検討下さい。

受講生募集中です!!

WEST五之巻講習会まであとひと月を切りました。
皆様のお手元にもチラシが届いていることと存じます。
本日現在、すでに前回を超えるお申し込みを頂いておりまして、大変うれしい限りです。
お悩みの方、まだ十分間に合いますので、どうぞ前向きにご検討くださいませ。
受講ご希望の方は、FAXまたはこちらの申し込みフォームからお申込みください。


◾️日 時:令和6年3月4日(月)〜6日(水)
       (受付4日12:30、解散6日11:00頃予定)
◾️会 場:大本山 本圀寺(京都市山科区御陵大岩町6)
◾️対 象:日蓮宗教師・沙弥(定員30名)
◾️内 容:法華経巻第五
     (一部経のお経本をお持ちでない方は、会場にて購入することができます)
◾️受講費:30,000円(宿泊費・食事代等を含む)

5日の19時からは、京都一部布教師会会長の三木天道上人による内容講義もございます。
テキストに指定しているわけではないのですが、より有意義に内容講義が受講できるよう、三木随法上人編著『法華三部経』をお持ちの方はぜひご持参ください(会場にて購入することも可能です)。

毎度申し上げます。
「興味あるけど、どうせなら一之巻から参加したいので、今回はパス!」
とお考えの方、思い立ったが吉日です。ぜひとも受講ください。

今のペースでいきますと、来年中に八之巻まで一巡すると思います。
つまり、WESTで一之巻の講習会が開催されるのは、それ以降ですよ。
ですから、五之巻から初めて受講して、そして四之巻まで一周継続して受講して頂くことをおススメします!

さらには、池上本門寺にて開催の講習会は、6月に七之巻講習会を開催予定ですので、今年中には一回りを終え、来年にまた一之巻が始まることと思います。
WESTで五之巻を受講して、WESTで六之巻を受講して、池上で八之巻を受講して、その次に池上で一之巻を受講して、WESTで七之巻を受講して・・・と貪欲に東西を行き来すれば、相当早いペースでのコンプリートも実現可能です。

WEST講習会の公式LINEアカウントを作成しました。
お友達登録いただける方は、どうぞご登録お願いします。

 



五之巻講習会WEST、開催決定!

令和5年も残す所あと1週間となりました。
大掃除やお正月の準備で皆様大変お忙しい事と拝察申し上げます。

さて、タイトルの通り、五之巻の講習会の開催が決定いたしましたのでご案内申し上げます。
5日(火)の19時からは、教法院ご住職の三木天道上人より五之巻の内容講義を賜ります。
どうぞ、受講ご検討ください。

毎度申し上げる事ですが、「一之巻から参加したかった!」というお声が多くございます。
当講習会は、どこからご参加頂いてもよいスタイルで開催しております。
思い立ったが吉日です。どうぞ初参加の方もご不安なくお申し込みください!

多くのご参加をお待ちしております。


◾️日 時:令和6年3月4日(月)〜6日(水)
       (受付4日12:30、解散6日11:00頃予定)
◾️会 場:大本山 本圀寺(京都市山科区御陵大岩町6)
◾️対 象:日蓮宗教師・沙弥(定員30名)
◾️内 容:法華経巻第五
◾️受講費:30,000円(宿泊費・食事代等を含む)

追伸。
この度、法華経一部読誦講習会 in WESTの公式LINEアカウントを作成しました。
講習会のご案内、ブログの更新情報、各地一部経読誦会のご紹介などをお届けいたします。
五之巻講習会のご案内にQRコードを載せておきましたので、是非ともお友達登録をお願い致します。

 

愛知一部経読誦会のご紹介

今回のコラムでは、全国各地の一部経読誦会のご紹介第2弾として「愛知一部経読誦会」をご紹介します。
以下、愛知一部経読誦会様より投稿いただきました原稿を掲載いたします。

愛知一部経読誦会は平成18年に一宮市法蓮寺様を会場として月に一度行われていた、「総要品転読中拍子練習会」に端を発します。
その後、平成26年より東京神奈川より振屋昌光上人ご指導のもと、約3年半かけて法華三部経を一々文々でご教授頂き、「法華経読誦の学び舎」として『愛知一部経読誦会』が発足致しました。
平成30年6月4日に記念すべき第1回愛知一部経読誦会が名古屋市昭和区浄昇寺様において開催され、爾来今日に至るまで、会場寺院の提供等、皆様にお力添えを頂きながら活動をして参りました。

近年では活動範囲が県内にとどまらず、令和2年2月に身延山御廟所「常唱殿」様において全国各地より50名程の有志にて行われた一部経読誦会、本年令和5年6月には「身延山開創750年慶讃壱部経読誦法要」に出仕させて頂きました。
その他、令和5年3月には京都部経会の皆様と本山妙傳寺様において合同読誦会が開催され、素敵なご縁を結ばせて頂くと共に、法華経読誦の歓びを分かち合う実りある素晴らしい日となりました。

現在、当会では毎月前四巻と後四巻の半部ずつを読誦しており、四巻を読み終えた後、八ノ巻を最後に必ず読誦しております。
「みょうほうれんげーきょーかーんだーいはちー!」
読経を終えた後、顔を上げますとひとりひとりが清々しい面持ちで法悦にひたり、まさに「皆大歓喜」の経文の如く、歓びに満ち溢れた道場となります。
法華経を読誦することの意義や素晴らしさはもちろん、皆で読経することの「楽しさ」、そして自分自身に真っ直ぐ向き合う大切な時間を与えてくれるのが愛知一部経読誦会であります。

回を重ねるごとに感じるものは、法華経読誦による歓びの輪の広がりです。この尊い歓びがもう一人、更にもう一人と脈々と広がっていくよう、今後も「愛知一部経読誦会」一丸となってより一層の研鑽を積んで参ります。
(以上原稿掲載)

愛知県の他、講習会のご案内チラシに、協賛いただいています全国各地の一部経読誦会が列記してあります。
「こんな読誦力では、行っても迷惑がられるのでは?」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、そんな会は一つもありません。お近くの一部経読誦会へ、見学でも構いませんので、どうぞ一度ご参加ください。

怨嫉多し

法師品第十に、「而此経者。如来現在。猶多怨嫉。況滅度後」という経文があります。
「しかもこの経は如来の現在すらなお怨嫉多し。いわんや滅度の後をや」と訓じます。
(この法華経を説けば、釈尊が説法なさっている在世ですらうらみやねたみが激しいのであるから、まして釈尊入滅後にはさまざまな法難が待ち受けている(日蓮聖人全集訳))

日蓮聖人は多くのご遺文でこの経文を引用され、『観心本尊抄』では、法華経末法の人々のために説かれた教えであることの証として、いくつかの経文と共にこの文を挙げておられます。

 

四之巻の内容講義の際、三木天道上人が「皆さん、この「怨嫉」という言葉を聞くと、どのようなことをイメージなさいますか?」と尋ねられました。
辞書には「怨」は「うらむこと。にくいと思うこと。不満足に思うこと」、「嫉」は「ねたむ。にくむ。他人の良いところを憎らしく思う」とあります。
日蓮聖人は、怨む人々・嫉む人々から数々の迫害を受けられますが、実は、そういった直接攻撃を加えるようなことだけを「怨嫉」というのではないのです。
 

これについて日蓮聖人は、『寺泊御書』の中で「天台の意に云く」と、妙楽大師の『法華文句記』の言葉を用いて次のように説明なさっています。

「一切の声聞・縁覚ならびに近成を楽う菩薩等云云。」
「聞かんと欲せず、信ぜんと欲せず、その機に当らざるは言を出して謗ることなきも、皆怨嫉の者と定めおわんぬ。」
法華経を聞こうともせず、信じようともせず、受容しようとしない者は、たとえ口に出して公然と謗らなくとも、それらはすべて法華経の怨嫉であると断定された(日蓮聖人全集訳))
 
声聞や縁覚、始成正覚の仏を信ずる菩薩さま方にしてみれば、法華経が説かれる以前は、自分たちが仏に成れるとは思いもよらないことだったのですから仕方ないですが、法華経が説かれた以後もこれまで同様の信行に固執することを戒められているのでしょう。
そして、問題は、お釈迦さま滅後に法華経を信仰する私たちに向けられた言葉です。
法華経を聞こうともしないし、信じようともしない。こういう人々こそが怨嫉なのだ、と。
 

現代社会には「サイレントマジョリティー」なんて言葉もありますが、口に出して人を責めたり攻撃したりしなくても、「聞かず信ぜず」が怨嫉である、と言われるのです。
「葬式仏教」などと言われ、私たち僧侶自身も法を説くこと、法華経を弘めることを第一の目的とせず、お寺の経営を優先しているようなお恥ずかしい状況。

この経文は、「私たちこそ、法華経を謗っている怨嫉なのではないか」と自らを省みる訓戒としなければならないのではないでしょうか。 
そして、法を説くことを求められていない世間の現状もまた、まさに「怨嫉多し」と予言された様そのものです。そういった有様に向き合うことが私たち僧侶の本分であることは言うまでもありませんが、口で言うは易し、です・・・
 

一部経を読誦し、そこに説かれる言葉を自分のことと受け止め、僧侶としての本分を再確認する、そんなありがたい内容講義での一場面。 十数人で聴講するには勿体無い内容でした。
講習会の受講は言うまでもありませんが、内容講義のみのご参加も歓迎しています。どうぞ共に学びを深めましょう。

身延山開創750年慶讃大法要

少し記事の内容が前後してしまいますが、先月、身延山よりハガキが届きました。
宗門全寺院へ発送されているでしょうから、ご覧になった方も多いと存じますが、それは、6月15日に営まれました「一部経読誦会法要」の写真のハガキでした。

ご存知の通り、本年は身延山開創750年の記念の年でした。
総本山身延山久遠寺では、開闢会の6月17日に向けた1週間にわたり、声明師会や修法師会、女性教師の会等による様々な法要が連日営まれておりました。

そんな中、去る6月15日、全国より100名を超える一部経読誦師(そんな肩書はありませんが)たちが総本山の大本堂に集い、一部経を読誦し、開創750年を慶讃しました。

私自身、大本堂の内陣へ入るのは信行道場以来ですから、誠に感慨深くありました。
そして、自分の声が聞こえなくなる程の大人数、大音声での一部経読誦に身体中が震え、またとない機会に感動感激一入でした。

講習会のチラシに、ご協賛いただいています各地の一部経読誦会の団体名が掲載されていますが、今回の法要では、それら各地の読誦会や講習会の修了生など、広く参加を募り、結果このような大所帯となったのです。
私の記憶しているだけでも、北は青森から、西は長崎からと、本当に全国各地からの出仕がありました。
大勢で読誦できたことの感動だけでなく、よい交流の場、互いに刺激を頂ける向上の場、そして、それぞれに更なる発展を願う展望の場となりました。

いつも少人数で読誦している地道な活動が、このような大きな法要に繋がりましたことは、言葉で言い表せない喜びです。
今後も、各地の一部経読誦の活動がもっと盛んになり、そして、このような読誦大法要が定期的に企画されるとよいな、と思っています。

講習会受講生の皆様、各地の一部経読誦会は、いつでもご参加大歓迎ですので、お近くで一部経読誦会が開催されていましたら、ぜひ一度参加してみてください(見学でも構いません)。

四之巻講習会3日目

二泊三日の講習会も最終日となりました。
朝から晩までの読経三昧なんて、普段のお寺での生活では滅多とないスケジュールですから、皆様もさぞお疲れのことでしょう。
そんな今日も本堂での朝勤からスタートしました。

昨日同様、四之巻の後半を、ゆっくりの雨垂れで40数分かけてお読みしました。
ゆっくり読みますと、お経の場面が浮かんできて楽しいですね。
例えば見宝塔品では「塔の扉が開いた!」とか「虚空へ上がったぞ!」とか「お釈迦様と多宝如来様が並ばれたな」とか「これが三箇の勅宣か」など、そのシーンが眼前に浮かんできます。
1人で、ハイペースで、自分で中拍子を打ちながら、という状況ではあり得ないことですね。

朝勤、朝食の後は、最後の仕上げ、報恩読誦です。
大本山本圀寺様には、宗祖が随身佛とされた立像の釈尊像が祀られています。
せっかくの機会ですので、参加者の皆様と、立像釈尊像が祀られる本師堂にて、四之巻を一巻、通読しました。

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御祖師様が生涯捧持された釈尊像に向かい、お釈迦様が末法の私たちの為にお説き下さったお経を、その中でも、「我が滅後において誰かよくこの経を護持し読誦せん、今、仏前において自ら誓言を説け」と述べられた四之巻を読誦する…。
ありがたく、また恐れ多く、そして日々の怠惰を恥じ、反省し、と色々な感情の飛び交う読誦となりました。

コロナで長らく中断しておりました講習会。
久々の開催で私達スタッフもドタバタしてしまいましたが、大本山本圀寺の貫首様を始め、山務員の皆様、内容講義の三木上人、受講生の皆様、多くの有縁の皆様からのお力添えを賜り、無事に閉講を迎えることができました。
この場を借りて、皆様方へ厚く御礼申し上げますとともに、以後もより良い講習会が開催できますよう、スタッフ一同努めてまいりますので、変わらずご助力・ご鞭撻を賜りたく、お願い申し上げます。