法華経一部読誦講習会 in WEST

一々文々のオウム返しによる一部経読誦の講習会です。令和元年より関西でも開講しております。

コラム

単己無眷属

昨日の内容講義でも、「五之巻の中でも、特に従地涌出品第十五が大切ですね」とおっしゃっていました。なぜなら、地涌の菩薩様がお出ましになるからです。従地涌出品では、六万恒河沙の菩薩様方が涌出され、しかもそれぞれに六万恒河沙の眷属をお連れになっ…

『法華三部経』のご紹介

当講習会では、2泊3日の中日に必ず内容講義の時間を設けており、WEST講習会では、京都一部布教師会会長、京都市上京区教法院ご住職の三木天道上人に講師をお務め頂いております。毎回笑いの絶えない楽しい講義で、退屈することなくお勉強ができる、とても濃…

怨嫉多し

法師品第十に、「而此経者。如来現在。猶多怨嫉。況滅度後」という経文があります。 「しかもこの経は如来の現在すらなお怨嫉多し。いわんや滅度の後をや」と訓じます。 (この法華経を説けば、釈尊が説法なさっている在世ですらうらみやねたみが激しいので…

身延山開創750年慶讃大法要

少し記事の内容が前後してしまいますが、先月、身延山よりハガキが届きました。宗門全寺院へ発送されているでしょうから、ご覧になった方も多いと存じますが、それは、6月15日に営まれました「一部経読誦会法要」の写真のハガキでした。 ご存知の通り、本…

モンポウカンギ! サンナイシホツ!・・・?

私たちが読経する際、堂内であれ、墓前であれ、いきなりお経から始まることは少なく、「勧請」という次第を先に行います。宗定法要式には、勧請とは「三宝諸尊の来臨を請し、大慈悲の加被を祈求すること」と記されており、私たちは、行事の大小、現地の状況…

三徳偈

法華経の譬喩品第三に、「三徳偈」と呼ばれる箇所があります。三徳とは、主・師・親の3つの徳のことで、言うまでもなく、これら3つは私たちが敬うべき誠に尊い存在です。そして、日蓮聖人も「ひとり三徳をかねて恩ふかき仏は釈迦一仏にかぎりたてまつる」…

如是我聞の心境

ご存知の通り、法華経はもちろん、ほとんどの経典は「如是我聞」の言葉で始まります。「是の如く我聞きき」と読みますが、これは「多聞第一」と敬われた阿難尊者の言葉であると言われます。阿難尊者は侍者になってからお釈迦様がご入滅されるまで25年もの…

レッスン今昔

なかなか講習会が再開できず、もどかしい日々を過ごしておりますが、先日とうとう、講習会再開の会議をしている夢を見ました。これが正夢であるとよいなと思います。 話は全くかわりますが、最近、近所の高校生にギターを教えています。 教えている、という…

一句目はどこまで?

法要にて、導師並びに式衆が読経する際には、ルールが定められています。 『宗定法要式』には「導師が磬一下の後、経題を読み上げ本文の初句まで句頭したら、式衆は2句目より付けて読み始め、次に木鉦を打ち始める」と記されています。 つまり、「方便品」…

「舎利弗」はなぜ縮めて読むのでしょう?

お経をお読みする時、基本的には漢字1文字につき木鉦を1打して拍を取ります。例えば「爾時世尊」でしたら「にー・じー・せー・そん」と4拍で読みます。過去のコラムでも書きましたが、時々このルールに反して漢字2文字を1拍に縮めて読む箇所があります…

方便品を探せ!

法要が始まり、開経偈にてお経頂戴、持ち上げたお経本を経机に降ろすや否や、導師による方便品第二の発音。慌てて一之巻を手に取って方便品を開こうとするも、その箇所がすぐ見つからずにアタフタする・・。 皆様はそんな経験をなさったことがありませんか?…

比丘尼?尼思仏?

常不軽菩薩品第二十に「師子月等五百比丘尼思仏等五百優婆塞」という部分があります。「過去世において、常不軽菩薩を罵ったり、石を投げたりした増上慢の者たちは、他でもない、今ここで法を聴いているあなたたちのことですよ」とお釈迦様が明かされる場面…

二佛並坐

皆様のお寺の御宝前は、どのような形態でお祀りされていますか?御本尊の形態については諸論ありますので、ここで詳細は述べませんが、総本山の身延山久遠寺をはじめ、多くの日蓮宗寺院の御宝前は、一塔両尊四士に加えて四天王、文殊菩薩・普賢菩薩、(+不…

まだまだ我慢の日々です・・・。

全国に発令されておりました緊急事態宣言や諸々の自粛要請もようやく解除され、少しずつですが、経済活動が再開されるようになってまいりました。 ですが、急な活動再開により再び感染拡大しては困りますし、また、毎日のように新たな感染者数が報告されるな…

星にまつわる悩み

2月といえば節分(もう終わってからの記事で申し訳ございません)。 節分は冬から春へと季節が移る節目であり、特に2月の節分では、暦が新しい年へと変わりますから、多くの日蓮宗寺院では節分会や星祭りが営まれ、檀信徒の皆様の好運気を祈ります。 さて…

三之巻、読み合わせ会

昨日、来る三之巻講習会に向けて、主任講師の振屋上人に京都までお越しを願い、WESTスタッフ一同にて読み合わせ会を行いました。 一人が代表してお経を音読し、他の全員が確認をする、という地味な作業ですが、いざ始めてみると、毎回の事ですが、意外と勘違…

息継ぎの時に肩があがりませんか?

大勢でお経を読んでいる時に周囲を見ておりますと、息継ぎの時に大きく肩が上がる方が少なくありません。 特に、御祈祷の時など、「大声を出そう」と考えれば考えるほど、「なるべくたくさん息を吸おう」となり、つい肩が大きく上がってしまうようです。 こ…

千部会の始まり

令和元年10月1日発行の日蓮宗新聞に、千部会についての記事が載っていましたのでご紹介いたします。 「千部会」と聞きますと、多くの方が池上本門寺様や堀之内妙法寺様を想像なさるのではないでしょうか。 私たち一部経読誦講習会のスタッフも、主任講師…

フ・ク・ツ・チ・キ

皆さんは「三十分」を何と読みますか?「さんじゅっぷん」と読まれる方が意外と多いのではないでしょうか? 漢和辞典で「十」を調べると、「ジュウ・ジッ・とお・と」と読みが記してあります。ここからわかるように、「十」には「ジュッ」という読みはありま…

筆記具の進化

以前のコラムにも書きましたが、当講習会ではお経本はカナ無しをお使いいただくよう定めております。 ですが、お経には日常と異なる読みをする字や難読字がたくさんあります。ですので、受講生の皆様には、読めない箇所にご自身でフリガナを書き入れ、自分オ…

要品を考える

皆さんが、修法師会や青年会などで読誦行をなさる場合、総要品や略要品をお読みになることが多いことと思います。 あまり疑問を持たずに今日まで読誦してきましたが、現在、私たちが読誦しておりますこの要品、いつ頃から今の内容で定着したのでしょうか? …

ハラ・ナイ?ハー・ラー・ナイ?

お経を複数人で読んでいると、その読み方の差異により、知らずにお経がずれてしまう箇所が数か所あります。 お経は基本的に1字を一拍と数えますが、例えば「舎利弗」は「舎利」の2字をつなげて一拍で読みますので、3字ですが二拍に縮まります。 他にも「…

講習会はカナ無し経本です。

仲間に「一緒に一部経を読みましょう」とお誘いすると、「カナ付きの経本でないと読めない」とお答えになる方がいらっしゃいます。 カナ付き経本の是非については色々なご意見があろうかと思いますし、今後もコラムを書いて考えていきたいと思いますが、当講…

呉音と漢音

漢字の読みには「呉音」と「漢音」という読み方があります。 私たちは、日常会話で漢字を読む時、主に「漢音」という音で発音します。 一方、お経を読む時は、「呉音」で発音することが多いです。 例えば、「食」という字は普通「ショク」(漢音)と読みます…