法華経一部読誦講習会 in WEST

一々文々のオウム返しによる一部経読誦の講習会です。令和元年より関西でも開講しております。

レッスン今昔

なかなか講習会が再開できず、もどかしい日々を過ごしておりますが、先日とうとう、講習会再開の会議をしている夢を見ました。これが正夢であるとよいなと思います。

 

話は全くかわりますが、最近、近所の高校生にギターを教えています。

教えている、というのは些か偉そうな物言いで、個人練習では感覚をつかめず習得しにくい技術等についてアドバイスをする程度のことです。

 

何故、こんな話をするかと申しますと、楽器の練習について、時代によって、こんなにも練習方法が変わるのか、と面食らったからです。

 

その高校生は、自宅で真面目に自主練習に励んでおられ、初心者ながらも順調に上達しています。

ある時、その高校生に自宅でどのように練習しているのか尋ねてみました。すると、何とYouTubeを見て練習している、との返事。

最近は、YouTubeに手軽な練習用教材がアップされており、スクールに通ったり、教則本を買ったりしなくても実践的な練習が簡単にできるというのです。

 

私も見てみたのですが、私の拙いレッスンに比べ、とても優れたわかりやすい練習用動画が沢山あるではないですか。

流行りの曲なら、曲に合わせて楽譜もスクロール表示されるものも多くあり、楽譜を買ったり、耳コピ(楽譜を見ずに曲を聴いてコピーすること)したりしなくていいのです。ああ、便利だ。

 

どんな習い事でも、基礎練習は退屈に思ってしまうものです。

私も、なるべく地味な練習は避け、手っ取り早く演奏技術が身につかないか、と都合のよいことばかり考えていました。

でも、歴が長くなればなるほど、基礎力不足ゆえ壁にぶつかり、逃げていた基礎練習に遅まきながら取り組む、ということを繰り返しているのが実情です。

ああ、お経も一緒ですね。焦って習得した付け焼き刃は、すぐに剥がれてしまいます。

 

その高校生も、入り口としては大変便利なものを上手く活用しているのだと思いますし、便利を否定はしません。

でも、上述しました通り、一人では身に付けられない技術があるから、私の所へ習いに来たのでしょう。

コロナ禍により、オンライン化がすごい速さで進んでいますが、やはり対面指導のように微細に伝えることはできないようにも思います。

 

そのうち、お経もYouTubeで習得する日が来るかも知れません。

ですが、やはり師匠より一々文々で習うには勝らないと思います。

便利なツールに役目を奪われないよう、私達も技術を磨き続けなければなりませんね。

 

そして、1日も早くコロナが落ち着き、安心して一部経読誦習得に励める日が来ますよう、心より祈念申し上げます。