法華経一部読誦講習会 in WEST

一々文々のオウム返しによる一部経読誦の講習会です。令和元年より関西でも開講しております。

筆記具の進化

以前のコラムにも書きましたが、当講習会ではお経本はカナ無しをお使いいただくよう定めております。

ですが、お経には日常と異なる読みをする字や難読字がたくさんあります。ですので、受講生の皆様には、読めない箇所にご自身でフリガナを書き入れ、自分オリジナルのお経本を完成させて頂く必要があります。

 

フリガナは、読めない漢字に限って書き込んで頂く方がよいのですが、つい、あれもこれもと書き込んでしまい、気が付けばフリガナだらけになってしまいます。

読誦練習を日々進め、少しずつ読み慣れてくると、不思議と今度はフリガナが邪魔になってきます。そうすると、今度は読めるようになった漢字のフリガナを消して頂くとよいでしょう。

こういった手順を考え、フリガナは普通の鉛筆で書き入れて頂くようにお願いしています。それも、消しやすいように、なるべくBとか2Bといった柔らかい芯のものを。

 

ところが、先日の講習会で皆様のお手元を観察しておりますと、ボールペンでフリガナを記入しておられる方が何人かいらっしゃいました。

「間違えたらどうするんだろう?」「消すときは修正ペンを使うのかな?」と思ってみておりますと、なんと、最近のボールペンは擦ると消えるようになっているのですね。

 

鉛筆は書く度に丸くなりますので、講義会場には鉛筆削りをご用意しております。ですが、ボールペンならば芯は丸まりませんし、常に細い線で細やかに記入できます。色を変えれば送り仮名と混同することも回避できるでしょう。なるほど、道具の発達とはすごいものです。

 

以後、筆記具として消せるボールペンの使用を許可・推奨するかどうか、話し合ってみる必要がありそうです。

とはいえ、私は古い人間なのでしょう、やはり鉛筆で書き込む方がしっくりきます。

 

伝統と文明の狭間にある読誦講習会の一場面でした。